KDP出版前にEPUBファイルを検証する方法

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EPUBファイルをKDP(Kindle Direct Publishing)にアップロードしたら、エラーで弾かれた。表紙画像のサイズが足りない、メタデータが不完全、目次が認識されない——こうしたトラブルは、入稿前のチェックで防げます。

問題は、出版前の品質チェックに手間がかかること。W3CのEPUBCheckはJavaのインストールが必要ですし、Kindle Previewerはダウンロード+インストールが必要です。「ブラウザだけでサクッと確認したい」というニーズに応えるのが、オンラインで使えるEPUBの検証ツールと閲覧ツールです。

この記事では、電子書籍の出版前に確認すべきポイントと、ブラウザだけで完結するチェック方法を解説します。

電子書籍の出版前にチェックすべき5つのポイント

KDPやApple Booksへの入稿で失敗しないために、以下の5項目を確認しましょう。

チェック項目よくある問題影響
1. EPUB構造mimetype位置の誤り、OPFファイルの不整合アップロード時にエラー
2. メタデータタイトル・著者・言語が未設定ストアで正しく表示されない
3. 表紙画像サイズ不足(KDPは1600×2560px推奨)審査で差し戻し
4. 目次(ナビゲーション)NCXやnav.xhtmlの構造不備目次が表示されない
5. 本文の表示文字化け、レイアウト崩れ、空チャプター読者体験の低下

これらを1つずつ手作業で確認するのは大変です。以下では、ブラウザだけで効率的にチェックする手順を紹介します。

EPUBバリデーションで構造・メタデータをチェックする

EPUBバリデーターを使うと、EPUBファイルの構造・メタデータ・表紙画像・コンテンツを一括で検証できます。

Step 1: EPUBファイルをアップロードする

EPUBバリデーターのページを開き、EPUBファイルをドラッグ&ドロップまたはファイル選択でアップロードします。ファイルはブラウザ内で処理されるため、サーバーに送信されることはありません。

Step 2: 検証結果を確認する

アップロードが完了すると、検証結果が4つのカテゴリで表示されます。

構造検証では、EPUB仕様に準拠した構造になっているかを確認します。mimetypeファイルの存在と位置、container.xmlの参照先、OPFファイルの構文、Spine(読み順)の整合性をチェックします。

メタデータ検証では、タイトル・著者名・言語の3つの必須項目が設定されているかを確認します。さらに、説明文(description)やISBNの形式もチェックします。

表紙画像検証では、表紙画像がEPUB内に含まれているか、KDP推奨サイズ(1600×2560px以上)を満たしているか、アスペクト比が適切かを確認します。

コンテンツ検証では、空のチャプターがないか、本文中の画像参照が正しいか、ファイルサイズがKDPの上限(650MB)を超えていないかをチェックします。

Step 3: エラーと警告を修正する

各チェック項目には Pass(合格)、Warning(警告)、Error(エラー)の3段階の判定が付きます。

  • Error: 必ず修正が必要。このまま入稿するとアップロード失敗や審査差し戻しの原因になる
  • Warning: 修正推奨。動作に支障はないが、品質向上のために対応した方がよい
  • Pass: 問題なし

エラーが出た場合は、EPUBを再生成して修正します。電子書籍作成ツールで作成したEPUBなら、「EPUBを読み込み」機能で既存ファイルを読み込み、問題箇所を修正してから再出力できます。

EPUBビューアーで表示を目視確認する

バリデーションで構造上の問題がないことを確認したら、次は実際の読者体験を確認します。EPUBビューアーでEPUBを開き、目視でチェックしましょう。

確認すべき表示チェックポイント

目次の確認: 目次パネルを開き、すべてのチャプターが正しいタイトルで表示されているかを確認します。目次項目をタップして、該当チャプターに正しくジャンプするかもテストします。

本文の読みやすさ: 冒頭から数ページ読み進め、改行位置・段落間隔・見出しの大きさが適切かを確認します。テーマ切替(ライト/ダーク/セピア)で各モードでの表示も確認しておくと安心です。

画像の表示: 本文中に画像を含む場合は、すべての画像が正しく表示されるかを確認します。画像が欠落していたり、サイズが大きすぎてページからはみ出す場合はEPUBの修正が必要です。

検索機能でのテスト: 検索バーに本文中のキーワードを入力し、正しく検出されるかを確認します。文字化けしている箇所があると、検索でヒットしない場合があります。

KDP入稿前の最終チェックリスト

バリデーションと目視確認を終えたら、以下の最終チェックリストで漏れがないか確認します。

メタデータ

  • タイトルがKDPに登録予定のタイトルと一致している
  • 著者名が正しく設定されている(ペンネーム or 本名)
  • 言語が「ja」(日本語)に設定されている
  • 説明文(description)が入力されている

表紙画像

  • 1600×2560px以上のサイズである(KDP推奨)
  • 縦横比が約1:1.6になっている
  • 画像がぼやけていない(解像度が十分)

コンテンツ

  • 冒頭の「はじめに」が正しく表示される
  • 章ごとのページ遷移がスムーズ
  • 文字数が想定どおりか(原稿用紙換算ツールで確認)
  • 誤字脱字がないか(文字数カウンターでテキストを抽出して最終確認)

ファイル

  • ファイルサイズがKDP上限(650MB)以内
  • ファイル名に日本語や特殊文字が含まれていない

電子書籍出版のワークフロー

EPUBの作成から入稿までを効率的に進めるには、以下のワークフローが効果的です。

原稿執筆(Markdown)
  ↓
EPUB生成(電子書籍作成ツール)
  ↓
表示確認(EPUBビューアー)  ← 読者視点で目視チェック
  ↓
構造検証(EPUBバリデーター) ← 構造・メタデータ・表紙を一括検証
  ↓
修正が必要? → Yes → EPUBを読み込んで修正 → 再生成
  ↓ No
KDP / Apple Books に入稿

このワークフローのポイントは、表示確認を先に、構造検証を後に行うことです。目視で明らかな問題(レイアウト崩れ、画像の欠落)を先に見つけて修正してからバリデーションにかけることで、手戻りを減らせます。

よくあるエラーと対処法

「メタデータにタイトルが設定されていません」

原因: EPUBのOPFファイルにdc:titleが含まれていない。電子書籍作成ツールの「EPUB出力」タブでタイトルを入力し忘れている場合に発生します。

対処: EPUBを再読み込みし、EPUB出力タブでタイトルを入力してから再出力します。

「表紙画像のサイズがKDP推奨サイズ未満です」

原因: 表紙画像が1600×2560px未満。ツールの表紙デザイナーで作成した場合はこのサイズになりますが、自分でアップロードした画像が小さい可能性があります。

対処: 画像リサイズツールで1600×2560px以上にリサイズしてから、電子書籍作成ツールで表紙を差し替えます。

「空のチャプターが見つかりました」

原因: Markdown原稿でH1見出しの直後にH1見出しが来ている(本文が空の章がある)場合に発生します。

対処: 空の章を削除するか、本文を追加します。

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Product Manager / AI-Native Builder

BtoB/BtoC双方で19年以上のPdM経験を持つ開発者。フリーランス・副業クリエイターが本業に集中できるツールを開発。