技術ブログを書こうと思っても、「何を書けばいいかわからない」という壁にぶつかることはありませんか?
私も以前はそうでした。でも、開発日記(devlog)を毎日書く習慣を始めてから、記事ネタに困ることがなくなりました。
この記事では、実際の開発日記から記事ネタを抽出した経験をもとに、開発日記の書き方とブログへの活用方法を解説します。
きっかけ:開発中の思考を記録したい
2026年1月30日、私はこんな理由で開発日記の運用を本格化しました:
開発中の思考を忘れないうちに記録し、後で
/journal記事に活用するため
それまでも日記を書いていましたが、形式がバラバラで活用しづらかった。そこでテンプレートを作り、継続しやすい仕組みを整えました。
開発日記のテンプレート
私が使っているテンプレートはシンプルです:
# YYYY-MM-DD
## やったこと
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## なぜこうしたか
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## 悩んだこと / 試行錯誤
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## 学んだこと
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## 次やること
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## 記事ネタメモ
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特に重要なのが 「悩んだこと / 試行錯誤」 と 「記事ネタメモ」 の2つです。
「悩んだこと」が記事になる
開発中に詰まった問題は、そのまま記事ネタになります。なぜなら、自分が詰まった問題は他の人も詰まる可能性が高いからです。
例えば、2026年2月1日の開発日記にはこう書きました:
開発日記の同期方式: 差分同期 vs 全件同期で迷った。結論: 全件同期(毎回全ファイルをコピー)で十分。日記ファイルは軽量で、Git Actions の実行時間も1-2分程度。
この「迷い」と「結論」のセットが、そのまま記事の骨格になります。実際、GitHub Actionsで複数リポジトリの開発日記を自動集約する方法という記事は、この日の日記がベースになっています。
具体例:トークン問題
同じ日の日記には、もう一つの「悩み」が書いてありました:
GITHUB_TOKEN vs カスタムPAT の使い分け: checkout ステップで REPO_ACCESS_TOKEN を使用していたが、このトークンは他リポジトリへの Read-only 権限のみで、zeronova-lab への write 権限がなかった。
この問題に2時間ハマりました。でも、解決策を日記に書いておいたおかげで、記事を書くときにすぐ思い出せました。
「記事ネタメモ」で明示的に記録
日記の最後に「記事ネタメモ」セクションを設けています。
2026年1月30日の日記:
## 記事ネタメモ
- 「Vercel Analytics を Next.js 16 に導入する方法」
- 「個人開発の運用を習慣化するためのドキュメント設計」
- 「開発日記を書く習慣で記事ネタが尽きなくなった話」
最後の項目がまさにこの記事です。日記を書いている時点で「これは記事になる」と思ったものをメモしておくことで、後からネタを探す手間が省けます。
76件の開発日記から50本以上の記事ネタを抽出
2026年2月1日に、全プロダクトの開発日記を棚卸ししました。76件の日記から「記事ネタメモ」を抽出した結果、50本以上の技術記事ネタと8本の開発ストーリーネタが見つかりました。
全 devlog(76エントリ)から記事ネタを抽出。開発ストーリー 8本、技術記事 50本以上をリストアップ。
記事ネタが尽きるどころか、書ききれないほど溜まっています。
パイプライン:日記から記事への流れ
日記を書くだけでは記事になりません。日記から記事への流れを「コンテンツパイプライン」として体系化しました。
ステップ1:週次レビュー
毎週日曜日に、その週の開発日記を見返します。GitHub Actionsで自動化し、新しい日記があればレビュー用のIssueを作成するようにしました。
週次スキャン + 月次優先順位付けで情報過多を防ぐ
ステップ2:2階層で管理
抽出したネタは2つの階層で管理しています:
| 階層 | 名称 | 説明 |
|---|---|---|
| Tier 1 | 開発ストーリー | 複数の日記を統合した長編記事 |
| Tier 2 | 技術記事 | 単一トピックの深掘り記事 |
例えば「CancelNavi: 企画から公開まで」は Tier 1、「Supabase RLS の設計パターン」は Tier 2 です。
ステップ3:月次計画
月初に、蓄積したネタの優先順位を決めます。判断基準は:
- ユニーク性: 他にない体験・知見か
- ストーリー性: 読み物として面白いか
- SEOポテンシャル: 検索流入が見込めるか
- 再現性: 読者が参考にできるか
複数の開発日記で言及されているトピックは優先度を上げます。再現性が高い証拠だからです。
機能・コンテンツマップとの連携
2026年1月28日には「機能・コンテンツマップ」という仕組みも作りました:
プロダクトの機能と記事を紐づけることで、SEO と CVR を両立させたい。ユーザーが「課題」で検索 → 記事がヒット → 記事内でプロダクトを紹介 → CVR。
開発日記は「開発者視点」のネタ源、機能・コンテンツマップは「ユーザー視点」のネタ源。両方を組み合わせることで、記事企画の幅が広がります。
開発日記を続けるコツ
短くてもいいから毎日書く
完璧な日記を目指すと続きません。「今日はメンテナンス作業のみ」の一行でもいいから毎日書くことが大事です。
リポジトリに置く
開発日記は各プロダクトのリポジトリに置いています。コードと一緒にバージョン管理されるので、PRと紐付けて参照できます。
自動集約の仕組みを作る
複数プロダクトを開発している場合、日記が分散します。私はGitHub Actionsで毎日自動同期する仕組みを作りました。詳細はGitHub Actionsで複数リポジトリの開発日記を自動集約する方法を参照してください。
まとめ
開発日記を書く習慣のメリット:
- 「悩んだこと」 がそのまま記事ネタになる
- 「記事ネタメモ」 で明示的に記録しておける
- 週次レビュー で見落としを防げる
- 2階層管理 で記事の粒度を整理できる
私の場合、76件の日記から50本以上の記事ネタが見つかりました。記事を書こうと意気込むより、まず開発日記を書く習慣をつけてみてください。ネタは自然と溜まっていきます。
Zeronova(ゼロノバ)
Product Manager / AI-Native Builder
Web/IT業界19年以上・20以上のWebサービスを担当したPdM。東証プライム上場企業の子会社代表として事業経営を経験。現在はAIを駆使して企画から実装まで完結させる個人開発を実践中。