「ユーザー視点で考えましょう」——会議やレビューで何度も言われる言葉です。
でも、実際にやろうとすると難しい。自分の経験や知識に引っ張られて、結局いつもと同じようなアイデアしか出てこない。「ターゲットユーザーならどう考えるか」を本気で想像するのは、思った以上にハードルが高いものです。
この記事では、AIペルソナの発想モードを活用して、ターゲットユーザーの立場から新しいアイデアを生み出す方法を解説します。
「ユーザー視点で考える」が難しい理由
自分の経験に引っ張られる
人は無意識に、自分の経験を基準にして考えます。エンジニアは技術的な解決策を思いつきやすく、デザイナーはUI/UXの改善を考えやすい。ターゲットが「子育て中の40代女性」であっても、自分が20代男性なら、その視点を完全に再現するのは困難です。
想像と現実のギャップ
「たぶんユーザーはこう思うだろう」という想像は、しばしば的外れです。
| 開発側の想像 | ユーザーの実態 |
|---|---|
| 「高度な分析機能が欲しいはず」 | 「シンプルに結果だけ見たい」 |
| 「カスタマイズ性が大事」 | 「デフォルトで使えるのが一番」 |
| 「最新技術を使っている点が魅力」 | 「自分の問題が解決するかだけ知りたい」 |
アイデアの同質化
同じメンバーで何度もブレインストーミングをしていると、出てくるアイデアが似通ってきます。新しい視点を入れないと、発想の幅は広がりません。
AIペルソナ発想モードとは
AIペルソナ発想モードは、ペルソナになりきったAIが新しいアイデアを提案する機能です。
仕組みはシンプルです:
- 元となるアイデアを1つ選ぶ
- 発想してほしいペルソナを選ぶ
- AIがそのペルソナの立場から3-5個の新しいアイデアを生成
各アイデアには以下が付与されます:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| アイデアの内容 | ペルソナ視点の新しい提案 |
| 理由 | なぜこのペルソナがこのアイデアを思いつくか |
| 期待効果 | 実現した場合の具体的な効果 |
ユーザーリサーチとの違い
| 項目 | ユーザーリサーチ | AIペルソナ発想 |
|---|---|---|
| コスト | 高い(リクルーティング、謝礼) | ほぼゼロ |
| 時間 | 数週間 | 数分 |
| サンプル | 限られた人数 | ペルソナを変えて何度でも |
| 精度 | 実際のユーザーの声 | AIによるシミュレーション |
| 位置づけ | 最終的な検証 | 初期のアイデア発散 |
AIペルソナ発想は、ユーザーリサーチの代替ではなく補完です。初期段階で幅広いアイデアを出し、有望なものをリサーチで検証する——この組み合わせが効果的です。
実践: ペルソナ視点でアイデアを広げる
具体例で見てみましょう。
元アイデア
「タスク管理アプリに、AIが優先順位を自動提案する機能を追加する」
ペルソナ別の発想結果
ITエンジニアの視点
「優先順位の提案もいいけど、それよりGitHubのIssueと連動してほしい。コードレビューの期限が近いタスクは自動で優先度を上げてくれると助かる。あと、APIで外部ツールと連携できると自分のワークフローに組み込める」
→ 生成されたアイデア例:
- GitHub Issue連携による自動優先度調整
- API提供で外部ツールとの統合
- コミット履歴に基づく進捗自動検出
ワーキングマザーの視点
「仕事のタスクだけじゃなくて、保育園のお迎え時間とか習い事の送迎も含めて管理したい。優先順位を考える余裕がないから、時間帯ごとに自動で並べ替えてくれるだけでいい」
→ 生成されたアイデア例:
- 仕事/プライベートのタスク統合管理
- 時間帯ベースの自動ソート機能
- 「今日の残り時間」に基づく現実的なタスク提案
スタートアップ経営者の視点
「チーム全員のタスクを俯瞰して、ボトルネックを自動検出してほしい。誰かに負荷が偏っていたらアラートを出すとか。あと、週次レポートを自動生成して投資家向け報告に使いたい」
→ 生成されたアイデア例:
- チーム負荷の可視化とボトルネック検出
- 投資家向け進捗レポート自動生成
- OKRとタスクの自動紐付け
同じ「タスク管理×AI」でも、ペルソナによってまったく異なる方向のアイデアが生まれます。
効果的な活用テクニック
1. 異なるペルソナで複数回実行する
1つのペルソナだけでなく、2-3種類のペルソナで発想させると、アイデアの幅が格段に広がります。ITエンジニアの視点では技術的な拡張が、シニアの視点ではシンプルさの追求が出てくるなど、多角的なアイデアが集まります。
2. カスタムペルソナで精度を上げる
自社のターゲットが明確なら、プリセットではなくカスタムペルソナを作成しましょう。年代、職業、ペインポイントなどを具体的に設定するほど、よりリアルな発想が得られます。
3. 生成されたアイデアを起点にさらに発展
ペルソナが生成したアイデアを新たな起点として、別のペルソナで再度発想させることもできます。「エンジニア視点のアイデアを、シニア視点で再評価する」といった連鎖的な活用が可能です。
IdeaSpoolで始めるペルソナ発想
IdeaSpoolなら、ペルソナを選ぶだけでAIが新しいアイデアを提案します。
ペルソナ発想モードの特徴:
- 6種類のプリセットペルソナ(ITエンジニア、ワーキングマザー、シニア、スタートアップ経営者、大学生、中小企業経営者)
- カスタムペルソナで自社ターゲットに合った発想
- 各アイデアに**「なぜこのペルソナが欲しがるか」の理由と期待効果**を付与
- 気に入ったアイデアはワンクリックで保存、そのまま評価・分析へ
「自分の頭だけで考える」から「ターゲットの頭で考える」へ。発想の起点を変えるだけで、見える景色が変わります。
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Zeronova(ゼロノバ)
Product Manager / AI-Native Builder
BtoB/BtoC双方で19年以上のPdM経験を持つ開発者。フリーランス・副業クリエイターが本業に集中できるツールを開発。