コーディング中のひらめき、どこに書いていますか?
「ここ、あとでリファクタしたいな」
コードを書いていると、こうした「ひらめき」が頻繁に浮かびます。バグの原因に気づいたり、もっと良い実装方法を思いついたり。
しかし、今やっている作業を中断したくない。とりあえず // TODO とコメントを残して、本来の作業を続ける——。
1週間後、そのTODOコメントを見て「これ何だっけ?」となった経験はありませんか?
コーディング中のひらめきが消える3つのパターン
パターン1: TODOコメントの墓場化
// TODO: あとでリファクタする
// TODO: パフォーマンス改善
// TODO: エラーハンドリング追加
// FIXME: なぜか動いてるけど怪しい
コードベースを検索すると、こうしたTODOコメントが大量に見つかります。書いた時点では「あとでやる」つもりだったのに、永遠に放置される——いわゆる「TODOの墓場」です。
TODOコメントには優先度も期限もないため、どれから手をつけるべきか分からず、結局全て放置されます。
パターン2: Slackの自分宛DM → 流れて消える
「自分にSlackでメモを送る」という人もいます。
確かに手軽ですが、他のメッセージと混ざって流れていきます。1週間分のDMを遡って「あのアイデアどこだっけ」と探すのは非効率です。
しかも、Slackのメモは検索性が悪く、タグもつけられません。
パターン3: 「あとで」の先送りループ
「今は集中したいから、あとでちゃんとメモする」
この「あとで」が来ることは、ほぼありません。コーディングが終わる頃には、何を思いついたか忘れています。
ひらめきは揮発性です。書き留めないと消えます。
解決アプローチ: キャプチャ → 自動分類 → Issue化
コーディング中のひらめきを活用するには、手を止めずに記録し、自動で整理される仕組みが必要です。
ステップ1: 手を止めずにテキスト一行で記録
ひらめいた瞬間に、テキスト一行で即座に記録できる環境を用意します。
フォーマットは不要です。思いついたことをそのまま書く。
認証周りのエラーハンドリングが甘い、本番障害につながりそう
これだけで十分です。整理は後から(または自動で)やればいい。
ステップ2: AIが課題の深刻度を自動判定
記録したテキストを、AIが分析して分類します。
自動判定の例:
- タイプ判定: 「課題」と認識
- 深刻度スコア(Pain Level): 4/5(本番障害リスクに言及)
- タグ:
#認証#エラーハンドリング#セキュリティ
人間が分類する必要がないため、記録のハードルが極限まで下がります。
ステップ3: ワンタップでGitHub Issueに変換
分類された課題は、ワンタップでGitHub Issueに変換できます。
Issue変換時の自動マッピング:
- Pain Level 4-5 →
priority: highラベル - Pain Level 2-3 →
priority: mediumラベル - タイプ「課題」→
bugラベル - タイプ「アイデア」→
enhancementラベル
TODOコメントと違い、Issueはプロジェクト管理に組み込まれるため、放置されにくくなります。
具体的な活用例
例1: バグ発見
状況: コードレビュー中に認証周りの脆弱性に気づく
記録:
JWTの有効期限チェックが一部のエンドポイントで漏れている、セキュリティリスク
AI判定:
- タイプ: 課題
- Pain Level: 5
- タグ:
#JWT#認証#セキュリティ
Issue化:
タイトル: JWTの有効期限チェック漏れ
ラベル: bug, priority: critical, security
例2: リファクタリング案
状況: 類似のコードが複数箇所にあることに気づく
記録:
ユーザー取得ロジックが3箇所に重複、共通化したい
AI判定:
- タイプ: アイデア
- Pain Level: 2
- タグ:
#リファクタ#DRY
Issue化:
タイトル: ユーザー取得ロジックの共通化
ラベル: enhancement, tech-debt
例3: 機能アイデア
状況: 実装中に「こうすればもっと便利になる」と思いつく
記録:
バッチ処理の進捗をSlackに通知できたら便利そう
AI判定:
- タイプ: アイデア
- Pain Level: 1
- タグ:
#バッチ#通知#Slack連携
Issue化:
タイトル: バッチ処理の進捗をSlack通知
ラベル: enhancement, nice-to-have
TODOコメント vs 外部ツール
「TODOコメントで十分では?」という意見もあるかもしれません。
しかし、TODOコメントには限界があります。
| 観点 | TODOコメント | 外部ツール |
|---|---|---|
| 優先度 | なし | 自動判定 |
| 検索性 | コードベース内のみ | 横断検索可能 |
| 進捗管理 | なし | Issue化で追跡可能 |
| 放置リスク | 高い | 低い(可視化される) |
TODOコメントは「その場のメモ」としては有用ですが、プロジェクト管理には向いていません。
まとめ
コーディング中のひらめきを活用するポイント:
- 手を止めずにテキスト一行で記録 — フォーマット不要
- AIで深刻度を自動判定 — 分類の手間ゼロ
- GitHub Issueに変換 — プロジェクト管理に組み込む
ひらめきは揮発性です。書き留めなければ消えます。しかし、書き留めるハードルが高いと、そもそも記録しなくなります。
**「記録のハードルを極限まで下げる」**ことが、ひらめきを逃さないコツです。
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Zeronova(ゼロノバ)
Product Manager / AI-Native Builder
BtoB/BtoC双方で19年以上のPdM経験を持つ開発者。フリーランス・副業クリエイターが本業に集中できるツールを開発。